理解教育
- 公開日
- 2024/07/12
- 更新日
- 2024/07/12
校長室から
先日の全校朝会での特別支援学級についての校長の話を受けて、ちはと学級の担任が通常の学級にて理解教育を行いました。特別支援学級ではどのような子が、どのようなことを学ぶのか、子どもたちと体験をしながら学びました。今日は5年1組での学習の様子を紹介します。
まずは、ノイズの中で先生の指示を聞き取る体験です(写真1枚目)。子どもたちからは「何を言っているか分からなかったから、怖かった。」「周りの音で聞こえなかった。大事なことかも知れないし、心配になる。」という感想がありました。ちはと学級の担任からは、「聴覚過敏」という言葉とともに、その「怖い」「心配」という気持ちを抱えながら学校に来ている子がいること、そのノイズを軽減するために、イヤーマフをしている子もいるという紹介がありました。話を聞く子どもたちの表情がだんだん引き締まってきます。
次は、軍手をしての体験です(写真2枚目)。子どもたちからは、「全然できないことはないんだけど、いつもよりやりづらかった。」「めくるときに手が滑っちゃって、全然つかめなかった。」「やろうとしてもできなくて、そのままどんどん次に進んじゃうからイライラした。」「物がうまくつまめなくて、ストレスになった。」という感想がありました。ちはと学級の担任からは、学習の中で必要となる動作、例えばプリントを1枚とって後ろに回す、コンパスで円を描くなどが上手にできない子たちがいるとの話がありました。そのために、ちはと学級では、その子のペースに合わせて学習が進んでいること、少人数であること、また手先をうまく動かすためのトレーニングをしていること、という話もありました。
ちはと学級の子どもたちは、日々特別な支援、つまり助けて受けながら、そういった困難さや生き辛さを乗り越えよう、困難さや生き辛さと上手に付き合っていこうと学んでいますが、それだけではなく好きなことや得意なこともあると写真付きで紹介されました。納得いくまで粘り強く頑張る子、好きなことをとことん追求する子……。写真が出ると「○○さんだ!」と子どもたち。「すごい!」「上手!」と自然と声が挙がります。
好きなことや得意なことが生きる力になっていること、うまくいかずに気持ちが乱れているときは、その好きなことや得意なことをして心を落ち着かせていること、そういうときは、何もせずそっとしておくのが最大限の優しさであること……。話を聞く5年1組の子どもたちの表情はとても真剣で、ちはと学級担任の言葉をまっすぐに受け止めていました。「その人の苦手なことに目を向けて非難するのではなく、その人のよいところを見付けられる視野の広い人になってほしい」というメッセージもしっかり伝わったと思います。担任からは、その視野の広さを学級の中でも発揮してほしいというまとめがありました。
子どもたちの書いた学習感想には、「周りが声をかけてあげるのがいいと思っていたけれど、そっとしてあげることがよいということを知り、そっとすることも優しさなんだな思いました。」「ちはと学級の友達=かわいそうな人というイメージがあったけど、今日の授業を通して、ただ必要な支援が多いだけでみんなと全く同じなのだと知りました。支援が必要な部分ばかり見て蔑むのではなく苦手な部分も得意な部分も広い視野で見て生活できたらいいなと思いました。」「ちはと学級の友達の皆には、私たちとより少し苦手なことが多いけど、その分、みんなが絶対できるとは限らないことができていてすごいと思いました。もっと仲よくなりたいです。」などなど、読んでいて胸が熱くなるような感想が書かれていました。
夏休みには、通常の学級とちはと学級と一緒に宿泊に行きます。豊かなかかわりが期待できる学習となりました。